全米初となる「パピーミル撲滅州法」がカリフォルニア州で成立

みなさん、こんにちは。
愛犬家、愛猫家にとっては嬉しいニュースです!!
日本も今後こうなっていくことを希望します❗
以下は「子犬のへや~10月のニュース」より

2017年10月13日(金)、カリフォルニア州知事が「ペットの救出と譲渡促進法」(AB485)にサインしたことにより、ペットショップにおける繁殖業者由来の犬、猫、ウサギの販売が一律で禁止されました(2017.10.16/アメリカ)。

「ペットの救出と譲渡促進法」(Pet Rescue & Adoption Act, AB485)はカリフォルニア州議員であるパトリック・オドネル氏とその支援団体「Social Compassion in Legislation」が中心となって州議会に提出した法案。2017年2月に提出されてから幾度かの修正を経て9月には上院を通過し、10月13日(金)、州知事であるジェリー・ブラウン氏がサインしたことにより正式に州法として成立しました。以下は概要です。
2019年1月1日より、ペットショップで販売される犬、猫、ウサギは全て保護施設から入手したものでなければならない
「保護施設」には公共の動物管理施設、動物虐待防止協会の保護施設、動物愛護協会の保護施設、私的もしくは公的保護施設と協働している保護施設が含まれる
保護施設は繁殖業者(ブリーダー)や卸売業者(ブローカー)から、代価を支払って動物を入手してはいけない
ペットショップで販売される犬、猫は「Food and Agricultural Code 30503」に則り、全て不妊手術を施されていなければならない。健康上の観点から不妊手術が一時的に見送られた場合は、里親から40~75ドルの預託金を受け取り、手術完了の証明書と引き換えに返還する
ペットショップは販売もしくは居住空間を提供している犬、猫、ウサギに関する記録を最低1年間保管しなければならない
動物の入手先に関する情報は、各動物が収容されているケージや区画のわかり易い場所に掲示し、権限を持つ調査員の求めがあれば提供しなければならない
動物管理局員、動物の人道的な扱いに関わる法執行官、保安官はペットショップに対する立入検査の権限を持つ
法執行官は違反が認められた販売業者に対し是正勧告を出すことができる
勧告に従わない販売業者には軽犯罪として動物1頭につき500ドルの罰金が課せられる
購入者が小売店ではなく、ブリーダーと直接交渉して動物を入手することは違法ではない

当法が成立したことにより2019年1月1日以降、繁殖業者が正規の登録や審査を受けた「シリアスブリーダー」だろうが、業者としての適性に欠ける「パピーミル」だろうが、営利目的で犬猫の繁殖を行っている人から入手した動物をペットショップで小売することができなくなりました。「パピーミル撲滅法」とでもいうべきこうした規制は地方都市の条例レベルではこれまでも存在していましたが、州内全域に適用される「州法」として成立するのは全米初となります。

 こうした法律が成立した背景にあるのは、州内におけるシェルター事情です。法案を提出したオドネル議員によると、公的な保護施設に収容されている犬猫の保管や安楽死のため、年間で2億5千万ドルという莫大な血税が使われているとのこと。ですから法律の成立によって動物たちの頭数過剰が是正されれば、人間の都合で殺される動物たちの数が減ると同時に、納税者の財政的な負担が減るものと期待されています。

 繁殖業者の質にかかわらず営利目的のブリーダーから一律で小売販路を奪ってしまうと、そのうち州内から犬や猫が消えてしまうのではないかという懸念があります。しかし「地下ブリーダー」が居る限りそうした事態はなかなか起こらないでしょう。「地下ブリーダー」とは、趣味で犬や猫を繁殖させる一般の「バックヤードブリーダー」、飼育能力を超えて病的に犬や猫を匿う「アニマルホーダー」、劣悪な環境下で犬や猫を大量繁殖させて秘密裏に売りさばく「パピーミル」・「キトゥンファクトリー」のことです。 典型的なパピーミルの一例典型的なアニマルホーディングの一例  カリフォルニア州は2016年時点で人口4千万人を抱える巨大都市ですので、上記した「地下ブリーダー」の数も相対的に増えてしまいます。ですから仮に繁殖業者から小売販路を奪ったとしても、無節操な繁殖の末保護施設に持ち込まれる動物、多頭飼育崩壊およびブリーダー崩壊などで保護施設に収容される動物、ネットなどで違法販売された後押収された動物、ブリーダーとの直接交渉で売買される動物の数を合わせると、ペットを飼いたいと思っている人の数を下回る事は無いだろうと推測されています。ちなみに「バックヤードブリーダー」を撲滅するためペット動物の不妊手術を法律で義務付ける「責任ある動物飼養法」を成立させようとする動きがありましたが、2008年に立ち消えとなりました(→出典)。

 法律を成立するに際してはご多分にもれず抵抗勢力からの反対がありました。具体的には、犬種登録を受け持っているアメリカンケネルクラブ(AKC)、ペットショップを始めとする生体販売業者からなるカリフォルニア小売業協会、ペット産業合同諮問委員会などです。言い分としては「消費者から選択の権利を奪っている」、「良心的なブリーダーから生業を奪っている」、「保護施設の動物は体の大きさや気質を予見できない」、「マッチングの失敗から飼育放棄されるペットの数が増える」といったものです(→出典)。しかし本音は「純血種の登録料が目減りするのは歓迎できない」といったところでしょう。

 保護犬や保護猫を販売する場合、ペットショップはまず保護施設から動物を入手しなければなりません。この制度により「保護施設→ペットショップ」という監視体制が確立され、動物の福祉を無視しているような悪質な小売店が駆逐されるものと期待されます。またペットショップは動物の入手先を購入者や調査員に明示しなければなりません。この制度により「一般市民・調査員→保護施設」という監視体制が確立され、病気持ちの動物を譲渡するようないい加減な保護施設があぶり出されると期待されます。 日本のペットショップでは犬や猫の出どころを情報として提供しない  日本のペットショップにおいてはほとんどの場合、販売している犬や猫の出所を明記しておらず、あったとしても「埼玉県の山田ブリーダー」のように漠然としたものにとどまっています。住所まで含めた情報を明記してトレーサビリティを高めることに、何か不都合でもあるのでしょうか?犬や猫たちが健全な生活を送っているはずの繁殖施設を公開することに、なにか抵抗でもあるのでしょうか?

早く日本にもこのような法律ができることを心から祈ります。

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投稿日時:2017年11月1日

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